第22期日本学術会議・情報学委員会・国際サイエンスデータ分科会・WDS小委員会(第2回)議事録
議題1.前回議事録(メモ)の確認
原案通り確認された。
議題2.委員の交代・新任
以下の委員の交代、新任が確認された。
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林 寛生(元京大生存圏研)→ 谷田貝亜季代(京大生存圏研)
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新任:柴崎亮介(東大空間情報科学研究センター)、平原聖文(名大STE研)
これに伴い、柴崎亮介氏が幹事に任命された。
報告1.WDS-SC
別紙資料(Summary Report of the 7th WDS-SC Meeting in Taipei)
報告2.WDS国内推進会議
(http://www2.nict.go.jp/isd/ISDS-contents/kaigi.html)
第2回:2012年5月 9日 サイエンスクラウド運営部会設置
第3回:2013年1月23日 国内外のデータ関連活動に関する情報交換と分析
報告3.CODATA関連
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第23回International CODATA Conference が、2013年10月28-31日に台北市で開催された。
WDS関連では、WDS Members Forum(10月28日)、WDS Town Hall Meeting(10月31日)、WDS-SC(11月1-2日)に加えて、WDSとCODATA Citation Task Group との共催セッションとして、Data Publication and Data Citation が開催された。
11月1-2日に開催されたCODATA総会において、今後6年間の戦略案(WDSとの連携など)、会員枠の拡大(研究機関等、研究者)、各国の分担金を今後見直していくことなどが決定された。
日本の補助によるデータサイエンスジャーナルに謝意が表されたが、問題点も指摘され、継続検討課題となった。
日本からは副会長(五條堀 孝)と幹事(浜口宏夫)が出ており、運営に貢献している。
総会では、日本がWDS-IPOを担当することに謝意が表された。
報告の詳細はhttp://www.scj.go.jp/ja/int/haken/121028.htmlにある。
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平成23年度学術会議情報学委員会・国際サイエンスデータ分科会、WDS小委員会が、2013年3月11日(月)に、科学情報学研究会(名大STE研・研究集会)のセッションとして開催され、第22期学術会議マスタープラン2014「学術大型研究計画」について議論が行われ、WDS小委員会からも意見を述べることとなった。
またWDS小委員会から提出された委員の交代・新任案が承認された。
報告4.IRDR関連
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2013年10月31日―11月2日、
台北において第1回データワーキンググループの会合が開催された。
委員長はAngelika Wirtz(Munich-MR)、
日本からの委員は竹内邦良(ICHARM)、
渡邉 堯(WDS-IPO)。
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2012年11月9日、
Sálvano Briceño氏(Director of UN's International Secretariat for Disaster Reduction)を招いて、
学術会議土木工学・建築学委員会IRDR分科会が開催された(渡邉、村山がオブザーバ出席)。
世界科学データシステム国内推進会議第3回会合における、
小池俊雄構成員による報告資料が以下で閲覧可能。
(http://www2.nict.go.jp/isd/ISDS-contents/kaigi/kaigi03.html)
報告5.Future Earth(Asia)関連
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2012年12月13-14日、
総合地球環境学研究所において、
国際シンポジウム「“Future Asia“科学・技術と社会の架け橋:Future Asia における持続性科学と地球環境変化研究の統合的実践に向けて」が開催され、
WDSからは村山と渡邉(オブザーバ)が出席。
これの計画は、Future Earthの枠組みの中で、
日本主導でアジア地域に特化した活動を行うことを目指していると思われる。
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東南アジア地域は環境や災害の研究にとって重要であるが、
データセンター等の国際的組織化においては、
WDC以来の空白地域になっているため、
この地域のデータセンター等のWDS加入を促進することが、
貢献の一つと思われる。
2014年に札幌で開催されるAOGOSシンポジウムにおいて、
それに向けたセッション又はワークショップを提案する方向で検討(WDS-IPO)。
2013年5月7-9日にバンコクで開催される第13回アジア学術会議(SCA)シンポジウムにおいて、
渡邉がこの方向に沿った招待講演を行う予定。
報告6.International Forum on “Polar Data Activities in Global Data System”(2013年10月15-16日、国立科学博物館)
この研究集会では、「グローバルデータシステムにおける極域データ活動」に焦点を当て、各国の南極データセンター(NADC)や国際科学会議(ICSU)下の「世界データシステム (WDS)」を構成する各データセンター担当者、並びにデータを利用する研究者側からの意見・提案を集約し、極域データを中心とした「南極データマネージメント委員会(SCADM)」とWDSの今後の諸活動の方向性、並びに学際団体間の具体的連携について議論を行う。特に、国際極年(IPY)で新たに発足した「極域情報コモン(PIC)」等、ICSU下のデータ管理体制についても意見交換を行う。また、多様なデータセットにより創成される、主として地球科学分野での新たな国際共同研究の可能性を検討する。さらに、極域データの検索・流通に関係する情報科学的成果の積極的活用を目指す。現在、WDS国際プログラム事務局(WDS-IPO)が情報通信研究機構(NICT)に設置されており、本研究集会の開催により、今後のWDSのさらなる発展と極域データ活動に関する我が国の役割の指針を決める有効な機会となる。そこで当小委員会も積極的に支援することとなった。
議題3.WDS Japan Net(仮称)の構築
現時点においてWDS所属メンバー(機関、組織等)として認定されたデータセンターやデータ組織は、世界で60件を越えており、日本からの正式メンバーは2か所(京大・地磁気WDC、NICT・電離層WDC)の正式加入が決まっている。また数ヶ所が近く申請を行う方向で準備が進んでいる。しかしWDS-IPOを日本に誘致し、7ヶ所のWDCを運営して来た日本としては、メンバー数拡大のペースは余り早いとは言えない。その背景には、以下のような事情が存在すると思われる。
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WDSに加入することの意義が理解されにくい。
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データセンター等が既存の国際データ組織等に加入している場合、設置機関において更にWDSに加入することに対する理解が得られにくい。また当該国際データ組織がWDSのネットワークメンバーとなった場合、その傘下にあるデータセンターが個別にWDSに加入する意義が認められにくい。
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WDS設置に向けた議論において、しっかりした長期的基盤を持ったデータセンター等で構成されることが念頭に置かれていたため、大学におけるデータ関連グループなど設置基盤が弱い場合は、加入における「精神的」バリヤーが高い。
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WDSに正式加入する場合、ICSUとホスト機関との間で「覚書 (MOU)」が交換する必要があるが、以上のような理由からそれが困難な状況は、旧WDC保有国を含め各国で発生している。
そこで、WDS-IPOが日本に設置されていることを十分に活用し、
WDSを軸とした我が国のデータ活動の国際化を推進するためには、
多くのデータ関連組織がWDSに加入することが第一歩であるが、
それに至るまでの準備組織として、
WDS Japan Net(仮称)をWDS小委員会のサブ組織(学術会議とは直接の関係は持たない、
「任意団体」)として構築することが提案され、
WDS-IPOの対応組織である情報通信研究機構・統合データベース開発研究室が、
当面の世話を行うこととなった。
WDS Japan Net(仮称)の機能として、
以下の項目が想定されている。
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国内WDSメンバー、旧WDC、WDSに関心のあるデータ関連機関・組織間の連携強化
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WDSを軸としたデータ活動の活性化と、WDSにおける可視化
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WDSメンバーの拡大に向けた活動
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WDS小委員会と連携したデータ関連活動(研究集会、環境整備等)
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データの保全態勢の構築(災害に備えたミラーリング、データバンクなど)
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WDS加入メンバーが増えた段階で、WDSネットワークメンバーとして登録を目指す
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将来的にはアジア地域(特に東南アジア)に拡大 (WDS Asia Net?)
○アクションプラン(案)
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WDS Japan Netへの参加メンバーを募る(WDSメンバー、旧WDC、WDSに関心を持つデータ組織等)。先ずWDS小委員会に参加している旧WDC、データ関連組織・機関からスタートし、順次拡大。
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ポータルページの立ち上げ(WDS 本体HPにリンク)
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参加データ関連機関のディレクトリ、データカタログ
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WDS関連活動の情報提供
上記2件を2013年度中に実施したい。引き続きメタデータ、データ検索システムの提供や、データ保全プラットフォームの提供などについては、今後WDS小委員会(拡大)で検討を進める