WDS・オープンサイエンス、データ共有の国際動向
オープンサイエンスやデータ共有に向けて、各国の政府・研究機関等でポリシーや方策が検討・議論されています。 2016年G7科学技術大臣会合(つくば)で、オープンサイエンス部会の設置が決議されました。
オープンサイエンスの世界的動向
- 2013年G8科学技術大臣会合(英)における研究データオープン化合意に基づいて各国で方策が検討・推進されています。
- 2016年G7科学技術大臣会合(つくば)でオープンサイエンス部会の設置が決議されました。
- 「オープン化」においては、競争力を損なわない適切なデータ共有が重要です。
- Open Government Dataと異なり、科学技術データでは、科学技術の発展に適した適切なポリシーが必要となります。
我が国の検討状況
- 2013年G8科学技術大臣会合合意を受けて、内閣府で 「我が国におけるオープンサイエンス推進のあり方について~サイエンスの新たな飛躍の時代の幕開け~」(2015年3月30日)の取りまとめに協力しました。また、WDSから国際動向情報を反映させています。
- 科学技術振興機構、 国立国会図書館、 文部科学省、 日本学術会議などでオープンサイエンスやデータ共有について検討が行われています。
国際組織における検討例
- 分散協調型のグローバルなデータシステム連携をすすめるためには、「Interoperability(相互運用性)」が重要となると考えられます。
- 同フォーマット大量データのビッグデータに加えて、異種多種類データ(ロングテールデータ)を加えたグローバルビッグデータの世界へ。
➡「オープンデータ」より「データ共有」等と呼ぶ例も増えています。 - デファクト標準、ワークフロー検討、ベストプラクティス実現等を目指す国際活動が活発化しています。
RDA (Research Data Alliance;研究データ同盟)
- 研究データ共有・技術・実践等を目指す(2013年~)
-
G7科学技術大臣会合でも推進を重視している。組織形態はIETF(*)を土台にしている
*:Internet Engineering Task Force
OECD (経済協力開発機構)
- 科学技術、ビッグデータ政策を国際的に提言
- オープンサイエンス調査研究をWDSと共同実施。
国際共通基盤構築の模索
事例:欧州連合(EU) 欧州オープンサイエンス・クラウド施策
- 欧州デジタル単一経済戦略・クラウドイニシアチブの中に位置づけ(20億€投資見込み)
- EU上級専門部会にて方針検討(2015-2016年)。NICTも参加。
- 「データ基盤」は通信・計算基盤からデータ管理、組織/データガバナンスまでを含むべき。
科学技術データ基盤・利活用の将来像
データ共有、相互利用で豊かな社会を
- ビッグデータからロングテールデータまで、異質で多様なデータ群をリアルタイムに利活用
- データの「質」の向上(形式、附属情報、ライセンス等)を組織的に
- 識別子やメタデータを使って、全インターネット空間中のデータを相互利用
➡「Internet of Data」の世界 - 世界全体で、必要な時には相互利用可能なデータ基盤システムを構成可能に
(⇔電話、インターネット基盤)