WDS・オープンサイエンス、データ共有の国際動向

オープンサイエンスやデータ共有に向けて、各国の政府・研究機関等でポリシーや方策が検討・議論されています。 2016年G7科学技術大臣会合(つくば)で、オープンサイエンス部会の設置が決議されました。


オープンサイエンスの世界的動向

  • 2013年G8科学技術大臣会合(英)における研究データオープン化合意に基づいて各国で方策が検討・推進されています。
  • 2016年G7科学技術大臣会合(つくば)でオープンサイエンス部会の設置が決議されました。
  • 「オープン化」においては、競争力を損なわない適切なデータ共有が重要です。
  • Open Government Dataと異なり、科学技術データでは、科学技術の発展に適した適切なポリシーが必要となります。
G8
G7 2016 ISE-SHIMA SUMMIT
G7 Science and Technology Ministers' Meeting in Tsukuba, Ibaraki
写真提供:内閣府, 茨城県, つくば市
写真提供:内閣府, 茨城県, つくば市

我が国の検討状況

我が国におけるオープンサイエンス推進の在り方について ~サイエンスの新たな飛躍の時代の幕開け~

国際組織における検討例

  • 分散協調型のグローバルなデータシステム連携をすすめるためには、「Interoperability(相互運用性)」が重要となると考えられます。
  • 同フォーマット大量データのビッグデータに加えて、異種多種類データ(ロングテールデータ)を加えたグローバルビッグデータの世界へ。
     ➡「オープンデータ」より「データ共有」等と呼ぶ例も増えています。
  • デファクト標準、ワークフロー検討、ベストプラクティス実現等を目指す国際活動が活発化しています。
RESEARCH DATA ALLIANCE

RDA (Research Data Alliance;研究データ同盟)

  • 研究データ共有・技術・実践等を目指す(2013年~)
  • G7科学技術大臣会合でも推進を重視している。組織形態はIETF(*)を土台にしている
    *:Internet Engineering Task Force
OECD

OECD (経済協力開発機構)

  • 科学技術、ビッグデータ政策を国際的に提言
  • オープンサイエンス調査研究をWDSと共同実施。

国際共通基盤構築の模索

事例:欧州連合(EU) 欧州オープンサイエンス・クラウド施策

  • 欧州デジタル単一経済戦略・クラウドイニシアチブの中に位置づけ(20億€投資見込み)
  • EU上級専門部会にて方針検討(2015-2016年)。NICTも参加。
  • 「データ基盤」は通信・計算基盤からデータ管理、組織/データガバナンスまでを含むべき。

科学技術データ基盤・利活用の将来像

データ共有、相互利用で豊かな社会を

  • ビッグデータからロングテールデータまで、異質で多様なデータ群をリアルタイムに利活用
  • データの「質」の向上(形式、附属情報、ライセンス等)を組織的に
  • 識別子やメタデータを使って、全インターネット空間中のデータを相互利用
    ➡「Internet of Data」の世界
  • 世界全体で、必要な時には相互利用可能なデータ基盤システムを構成可能に
    (⇔電話、インターネット基盤)