世界科学データシステム(WDS)事業
世界科学データシステム(WDS)は、国際科学会議(ICSU)と協力して進めている科学データの保存・活用のための国際事業です。NICTでは、WDSの国際事務局(IPO)をホストしています。
WDSとは?
- 科学データの保存・活用のための国際事業です(2008年設立)。
- 科学界の国連と言われる国際科学会議(ICSU)
[*]が実施します。
[*]: 世界最大規模の国際科学連合機関(1931年設立、本部は仏パリ。)
WDSが目指すもの
旧来の科学データ保存の制度WDC等 [*]設置当時(1950年代)は紙やフィルムを使用したデータ交換を実施。 近年発達してきたインターネット、ICT技術への対応が求められるようになってきました。 ※1957~2006年まではWDC(World Data Center)枠組。
各国の機関が個別にデータを管理しているため横断的活用が困難でした。
「WDS」は
- 分野横断的・分散協調的に
- 最新のIT技術を活用して
- 長期的な科学データの保存・利活用
WDS加盟機関の例
国際プログラムオフィス(IPO)とは?
WDS国際プログラムオフィス(WDS-IPO)は、WDSの国際体制構築やデータ相互利用体制、グローバルな利活用等の実現に向けて活動する組織。
- 2012年5月9日に公式開所式を執り行いました。
- NICTがホストをしています。
WDS国際科学委員会 (第3期:2015-2018)
Chair: Sandy Harrison
Centre for Past Climate Change at the University of Reading, United Kingdom
Vice-chair: Ingrid Dillo
(Deputy Director of WDS Regular Member: Data Archiving and Networked Services [DANS])
Vice-chair: Wim Hugo
South African Environmental Observation Network (SAEON), South Africa
Aude Chambodut
(International Service of Geomagnetic Indices [ISGI])
Alex de Sherbinin
(Socioeconomic Data and Applications Center [SEDAC])
Arona Diedhiou
Research Director at Institute of Research for Development (IRD) and Laboratoire d'Etude des Transferts en Hydrologie et Environnement (LTHE), University of Grenoble-Alpes, France.
Claudia Emerson
Program on Ethics & Policy for Innovation, Department of Philosophy, McMaster University, Canada
Elaine M. Faustman
(Science Officer of WDS Regular Member: World Glacier Monitoring Service [WGMS])
Isabelle Gartner-Roer
(Science Officer of WDS Regular Member: World Glacier Monitoring Service [WGMS])
Toshihiko Iyemori
(WDC - Geomagnetism, Kyoto)
Guoqing Li
Institute of Remote Sensing and Digital Earth (RADI), China
Sanna Sorvari
Finnish Meteorological Institute, Helsinki, Finland
Alfredo Tolmasquimi
Museum of Astronomy and Related Sciences, History of Science Coordination, Rio de Janeiro, Brazil
Ex officio:
Heide Hackmann (ICSU)
Executive Director, International Council for Science (ICSU)
Yasuhiro Murayama (IPO host)
Research Executive Director, National Institute of Information and Communications Technology (NICT)
対外的な活動
●NICTは国際科学会議(ICSU)との協力文書を平成23年(2011年)7月に締結し、国際科学会議の下で進められている国際学術事業である世界科学データシステム(WDS)に協力し、科学データの取扱に関する高度化を促進しています。
また、上記協力文書に基づき、世界科学データシステムの国際プログラムオフィス(WDS-IPO)を設けています。
●国際プログラムオフィスの活動に関して、国内関係機関との連携を促進するために「世界科学データシステム国内推進会議」が平成23年(2011年)11月に設立されています。
●世界科学データシステムの理念に興味を有する国内の関係研究機関・研究者が参集し「WDS国内シンポジウム」を開催しています(第1~4回)。当室は左記シンポジウムの開催に 積極的に協力し、国内関係研究機関・研究者間の情報交流を促進しています。
○我が国では、日本学術会議が国際科学会議(ICSU)への窓口となっています。
日本学術会議には平成24年(2012年)3月から「WDS小委員会」等の委員会が設立され、世界科学データシステムの活動への対応等が検討されています。